今季もなでしこリーグ開幕前に展望記事を書いてみる。
昨季は「国内女子サッカー」と題したが、一人で全カテゴリーを俯瞰できるキャパシティと能力はないのがはっきりしたので、謙虚になでしこリーグ(1部・2部)を中心に記す。
まずは移籍のまとめ。出所は各クラブの公式発表で「女子サッカー2016移籍等リスト(オフシーズン)」を基にしている。(3月10日現在=F日体大、C大阪堺など一部未発表)
リーグ間移籍選手数。昇降格後の2016シーズン所属リーグによる表記で統一。昨シーズン無所属の選手と期限付き移籍は含まない。
2016 | →L1 | →L2 | →L3 |
L1 | 13 | 10 | 14 |
L2 | 6 | 8 | 14 |
L3 | 8 | 13 | 9 |
凡例:L1=2016なでしこリーグ1部 L2=2016なでしこリーグ2部(12チーム) L3=2016チャレンジリーグ(12チーム)
比較のために前年度も再掲。
2015 | →L1 | →L2 | →L3 |
L1 | 19 | 14 | 3 |
L2 | 10 | 3 | 12 |
L3 | 8 | 5 | 1 |
凡例:L1=2015なでしこリーグ1部 L2=2015なでしこリーグ2部(12チーム) L3=2015チャレンジリーグ(12チーム)
今オフの移籍も引き続き「出場機会」がキーワードになっていると考えられる。特に顕著なのはL1→L3の移籍数の増加で、オルカ、名古屋、バニーズへは各4人が移籍した。代表クラスの海外クラブへの移籍は依然0で(行って観光で帰ってきてもしょうがないが)、沈滞した現状の一端を示しているとの見方もできるのではないか。加えて現役引退も目につくシーズンオフともなった。
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2016年の大まかなスケジュールと大会は次の通り。
リオデジャネイロ五輪への出場権を失った現時点では、今後の代表活動は白紙状態。一部報道にある現U-20女子代表高倉麻子氏が就任するのか、その場合U-20女子W杯を終えた後の本格始動となるのか、玉突き人事が起こるのか、五輪前の出場チームとの強化試合を組みやすい機会を逃さずに新しいチームを再起動するのか、今後の発表を待ちたい。なお高倉氏が就任した場合に、リーグ1部所属のチームは(さらには下部のチームも)4-4-2のフォーメーションから4-5-1へと転じる可能性が高い、と予言しておく。
一方で、U-17女子W杯(ヨルダン・9/30-10/21)とU-20女子W杯(パプアニューギニア・11/13-12/3)については出場権があり、特に後者はなでしこリーグとは重ならないものの、皇后杯(及び入替戦)には少なからず影響があるはずで、多くの選手を送り出すであろう日テレと浦和はほぼ絶望だろう。
なでしこリーグは2年間レギュラーシリーズ→エキサイティングシリーズの2ステージ制で行ったが、これを廃止して中間にカップ戦を持ってくる形へ戻し、2部でもカップ戦を実施することになった。過去の印象ではスポンサーも同じであるし日程的にも連続した形で始まるので異なる大会という実感が湧かないのだが、少しでも若手の出場機会が増えればと願うだけである。2部についてはリーグ戦が2回戦総当たり制に「縮小」された形となり昇格を争うチームにとっては1試合ごとの勝ち点の重みが増した。初めて行われる2部カップ戦はチームの事情によって温度差が出るかもしれない。特に国体の都道府県選抜の主力を担うチームがこれに該当するが、これを機に2部以上のチームは国体との連動性が薄れていく可能性もある。
旧パス名:
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新時々日記
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