【レッズレディース】
史上最低のリーグ戦8位に終わった2016(平成28)年シーズンを振り返る。
(1)退団・加入選手
退 団 | 加 入 |
岸川奈津希(ベガルタ) 鈴木里奈(AC長野) 田尻有美(ノジマ) 和田奈央子(ノジマ) 竹内 希(バニーズ) 石井咲希(バニーズ) 千葉望愛(CD Transportes Alcaine[西]) 大戸遥可(筑波大) 藤田のぞみ(引退表明→松江シティRagazza) |
筏井りさ(ジェフ) 長嶋 洸(F日体大) 北川ひかる(ac福島)=前年度特別指定 松本真未子(昇格)* 遠藤 優(昇格)* 塩越柚歩(昇格)* 木崎あおい(昇格)* 長野風花[下部登録] |
3/29:山守杏奈[筑波大/特別指定] 3/29:水谷有希[筑波大/特別指定] 4/1:南 萌華[下部登録] 6/10:長嶋玲奈[下部登録] 6/10:小嶋星良[下部登録] 6/10:高橋はな[下部登録] 8/28-10/26:エミリー・ギルニック(Brisbane Roar[豪]) |
上段が開幕前の異動、下段が開幕後である。四年制大学通学者で卒業を迎える節目に当たった4名(鈴木、田尻、和田、竹内)をベースに、岸川・石井・大戸のユース出身者が移籍先未定の状態で退団発表がされるという荒れ模様。これに拍車を掛けたのが藤田のOT症候群による現役引退と3月11日にスペイン移籍の千葉で計9人の離脱。ボランチからDFが多くスタメンメンバーはいないことから、「5バックの呪い」と後世の歴史教科書に書かれることになる。(知らんけど)
一方、リーグ1部経験者はジェフから筏井一人。特別指定で実績を出していた北川とリーグ2部でもある日体大から長嶋が戻り、ユースで活躍した4人が昇格という加入。
(2)リーグ他成績
リオデジャネイロ・オリンピックを見据えて、シーズンレギュレーションを総当たり2回戦へと戻して、リーグカップが復活した。
2016年3月23日付「展望:なでしこリーグ2016シーズン(3) 1部・2部順位予想他」で書いた順位予想は次の通り。
優勝は日テレ。流動的な要素も多いが何とか凌いで終わってみれば一番上にいるイメージ。対抗はベガルタだが苦手意識のある日テレとINACからしっかり勝ち点を取ることが条件。浦和が3番手。この三者は三すくみの関係のようなところがあるが浦和は一本調子の試合運びで他チームでの取りこぼしが多そうなのでこのポジション。
I神戸とジェフLが4位・5位。代表組の疲労が抜けないとI神戸は新潟Lよりも下がありえる。その前年度皇后杯準優勝の新潟Lが6位は評価が低すぎるかもしれないが例年春先はスロースタートの印象でジェフLの方に安定感があると思われる。そして昇格初シーズンのAC長野が7位。この四チームは団子状態でもあるので特長がはっきりしている分AC長野が躍進する余地は充分ある。
伊賀FCと湯郷ベルで8位争い。コノミヤが10位。
結果。
順位 | チーム名 | 勝ち点 |
---|---|---|
1 | 日テレ | 44 |
2 | I神戸 | 37 |
3 | AC長野 | 37 |
4 | ベガルタ | 31 |
5 | 新潟L | 30 |
6 | 伊賀FC | 21 |
7 | ジェフL | 20 |
8 | 浦和 | 19 |
9 | コノミヤ(降格) | 11 |
10 | 湯郷ベル(降格) | 10 |
身びいき含みとはいえ浦和のオフシーズンTMの成績を相当高く見積もってしまった誤りに加えベガルタ、ジェフも少し高く評価してしまった。一方、湯郷は予想以上の悪化で自動降格。これに凌ぎ勝ったコノミヤの壊れっぷりも相当なもので入替戦を耐えられずに降格。この2チームに負けたのが前半の浦和だったから、相対的な関係でようやく残留しただけではなかったか、ということもできるだろう。
立ち直りのきっかけを得たのは今季復活したリーグカップで、湯郷に大勝すると新潟とAC長野に競り勝って勝ちの味を思い出し、あとは引き分け続きで何とか2位に逃げ残って準決勝進出、結果的には後半につなげることができたがあまりにも遅すぎた。
皇后杯は準々決勝で結果優勝したI神戸と延長終了間際まで好勝負を演じたが順位なりのベスト8というところまでだった。
(3)課題
2015シーズンの「課題」で指摘した「単調な戦術と試合運び」「不安定なポジショニングと序列主義による起用」「成り行き任せのチーム編成とユースチームとの非連続性」は、ほぼ維持されたままで解決できなかった。カップ戦明けにクラブが示した方策はオーストラリア代表歴はあるエミリー・ギルニックの期限付き移籍だけで、それも現場とのコミュニケーション欠如を浮き彫りにしただけだったと言わざるを得ない。
2017シーズンに向けて吉田氏は退任して、石原氏が監督就任。合わせて柳田美幸氏を現場へ復帰させた。実質、千葉での交流戦からのウォッチにはなるが、新しい風が吹き込まれることによる変化に期待したい。
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新時々日記
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